BLOG文章表現

日本語教育、留学生の作文教育、日本語の文章や表現の備忘録です。

レポートを書くのに必要な文体・語彙・文法の知識

「である体」<「書き言葉」<「自動詞と他動詞」<「は・が の使い分け」

学部留学生の作文授業の初日でした。
今日の授業では、作文力チェック(80点満点)『改訂版留学生のための論理的な文章の書き方』を参考に、「である体」「書き言葉」「自動詞と他動詞」「は・が の使い分け」について書きかえ問題や穴埋め問題をしました。
作文力チェックは、出来なかった順に並べると、「である体」<「書き言葉」<「自動詞と他動詞」<「は・が の使い分け」でした。
「自動詞と他動詞」「は・が の使い分け」という文法の問題は個人差はあるものの思ったよりできていました。
「である体」「書き言葉」があまりできなかった人は、「です・ます体」「話し言葉」に特有の語(「でも」「とても」など)を無意識に書いていました。
日本語力は中上級ぐらいの人でも文章の種類によって文体や語彙の使い分けがあるという文体差に気づかないまま来たようです。
これは作文の授業では毎度のことで、毎年授業の最初には「である体」、「書き言葉」と「話し言葉」の選択を勉強してもらっています。

今回の作文力チェックの結果で新たに発見したのは、知識を問うタイプの問題なら学生は文法問題はある程度できるということです。
今までの授業では初回はいきなり作文を書いてもらっていました。
あるテーマについて意見文や説明文、自己紹介文を書かせていました。
書かれた作文を見て、文章の中での誤用として文体や語彙の選択、文法を見てその人の日本語力を判断していました。
しかし、今回は作文をあえて書かせないで、まず一文で適切に書けるかを見てみました。
その結果、学生は意外と文法は知っているということがわかったのです。


●『改訂版留学生のための論理的な文章の書き方』二通信子・佐藤不二子、スリーエーネットワーク、2003年

留学生のための論理的な文章の書き方

留学生のための論理的な文章の書き方