要約文での書き手の意図の再現
<主体>が<事柄>によって行われた。
<主体>が<事柄>を行った。
新聞記事の要約文を留学生に書いてもらうと、事柄中心の表現として書かれた記事原文を動作主中心の表現にしたり、その逆にしたりする要約文に出くわすことがあります。
同じ事実を見て書いたものとはいえ、違う視点から書けば、それは異なる表現であり、原文の書き手の意図とは異なる要約文ができます。
自他動詞のどちらを選択するかは、原文では何が主題になっていて、書き手の視点は動作主と事柄のどちらにあるのかを理解した上で選ぶことです。
要約文では記事の書き手が何を主題としているのかを変えずに原文のサイズを縮小します。
要約文は単なる言い換えではなく、原文の意味と書き手の意図を再現した「縮小コピー」なのです。
[再録]2007年2月19日
事柄中心と動作主中心の表現