BLOG文章表現

日本語教育、留学生の作文教育、日本語の文章や表現の備忘録です。

強い賛成でも強い反対でもない意見が出てくる

日本人学生と日本語学習者の意見文の文章構造の分析をしている学生さんから聞いた話です。
どちらかと言えば賛成、または、反対、のように程度問題として賛否の意見が出てくる意見文が日本人学生の意見文に結構出てくるとのことです。
意見文の書き方としては自分の意見をはっきり述べていないのでよくない文章ということになるかもしれません。
しかし、日常生活では賛否どちらとも意見や、どちらかと言えば賛成・反対のような意見の度合いは普通に見られることです。
自分のあいまいな意見をいかに他人にわかってもらえるように伝えるか、というのは高度な言語技能だと言えるのではないでしょうか。

意見文の書き方を教えながらも疑問に思うのは、人間そんなに何にでもはっきり白黒つけられないよなあということです。
とはいえ、どっちつかずの意見やあいまいな意見をただ連ねるだけではだらだらと言葉が続くだけです。
読む側も延々とわけのわからんことを読まされるわけです。

しかし、読み手も納得するような場合はどうでしょうか。
例えば、明確な賛否の意見を持っていた読み手が、確かにこんな難しい問題だとそう簡単に白黒つけちゃいかんなあと意識改革を迫られる場合です。
そのような意見文なら、この賛成でも反対でもない意見が説得力のある意見文となることでしょう。