BLOG文章表現

日本語教育、留学生の作文教育、日本語の文章や表現の備忘録です。

レポートとパワーポイント資料の箇条書き

レポートとパワーポイント資料に書く言葉の違いは何か?

これはレポート返却後の学生さんからの質問です。
パワーポイント資料とレポートの書き方の区別がつかなかったようです。
節の見出しの後に説明の文章なしに箇条書きで調査概要や分析結果を書いていました。
説明の文章も書き加えないと、何のために並べているか読み取れないとアドバイスしました。


パワーポイント資料の作成ではキーセンテンスやキーワードを箇条書きにすることが多く、説明は口頭でします。
スライドを文章の形で書くと、1枚のスライドに文字が多すぎて重要な点が目立たなくなります。

一方、レポートでは調査概要や結果などを箇条書きにしても、それは文章の一部として組み込む必要があります。
箇条書きの前に、例えば「〜に関する調査概要を以下にまとめる。」のような説明の文を書くのが一般的です。

節の見出しの直後に、説明なしにいきなり図や表を出さないことと同じです。
図を出す前に「〜の結果についてまとめたものを図1に示す。」などの説明の文を書きます。


レポートは、書き手が問いとその答えと答えを導く論理的な過程について文章の形で意味づけし説明した文章だと言えます。
レポートの構成要素である目的・方法・資料・結果・考察・結論を明確に区切られます。
それぞれの構成要素の中で説明を箇条書きにするのは答えだけを並べることと同じです。
文章の形で説明することにより、読み手は答えを導く論理的な過程を追体験できるのす。