BLOG文章表現

日本語教育、留学生の作文教育、日本語の文章や表現の備忘録です。

授業で誤用を教える

×物価が高いである。(<のだ文>「高いのである。」との混同)
×調査を行うである。(同上「行うのである。」)
×このように述べておる。(<連用中止>「述べており、」からの類推)

「である体」を教えると、以上のような誤用がしばしば見られます。
作文教科書では「である体」を「だ体」「です・ます体」と並べて名詞文、な形容詞文(形容動詞文)、い形容詞文、動詞文、という種類別にまとめ、練習問題の中で上のような誤用を確認できるようになっています。

誤用を教えるとかえってそれに引きずられるので学習者に示さないほうがいいという考え方があります。
しかし、実際に作文の授業をしている中で、学習の過程で誤用が多く見られるものが体験的にわかってきます。
そのような誤用は前もって教えておいたほうが、誤用を防ぐという予防の意味では教育効果が大きいと考えます。