BLOG文章表現

日本語教育、留学生の作文教育、日本語の文章や表現の備忘録です。

日本語文化研究II(1)2011年4月25日(月)

1.研究計画のポスター発表
3人×4セクション
発表後は自分の聞いた発表についてコメントを書いて提出

2.5月9日(月)以降の1学期授業スケジュール配布と説明
1学期は作文中心に教科書に従って講義と作文練習。
2学期は読解中心で自分の選んだ文献の内容を紹介。1学期に余裕があれば途中から読解も始めたい。

★来週の授業にモデルとしたい論文を1本持ってくる。

●コメント
ポスター、レジュメの2種類のものがでてきた。
研究計画の文章をメモ書きにする練習としてはよくできた。
ポスターにするならもっと文字のフォントを大きくする必要がある。(今回はそこまでは要求しなかった)

日本語研究演習III 2011年4月22日(金)

1.避難経路の確認

2.講義続き「文章論から日本語教育へ」

3.5月からの文献購読の分担とグループ決め
3人1組で発表。

★教科書『ここからはじまる文章・談話』必要冊数を大学会館の書籍部に注文
★授業メーリングリストとして「サイボウズ」使用

日本語文化研究II(1) 2011年4月18日(月)

1.出欠確認
12名出席(うち2名初めて参加)。

2.レジュメ・スライドの表現
プリント参照:メモを取る練習

3.研究計画書の書き方
(1)研究計画書に書く内容
プリント参照:研究計画は「構想(案)」でかまわない

(2)論文の構成要素
プリント参照:論文のモデル

(3)自分の研究計画書の構成要素の確認
「論文のモデル」の構成要素が自分の研究計画書のどこに該当するか計画書の右に記入しながら確認。
構成要素:背景説明、問題提起、方向付け、全体の予告、部分の予告、論拠提示、部分のまとめ、結論提示、全体のまとめ、評価、展望提示

(4)研究概要を3人1組で1人2分発表
研究テーマ、研究背景、方向付けについて話す

4.来週
4月15日(月)ポスター発表、自分の研究計画について、3セクションごとに15〜20分

5.宿題 4月22日(金)17時締切
ポスター発表のポスター作成 A3紙2枚またはA4紙4枚
★プリント「メモを取る練習」のような表現を用いる。図表や絵を含めてもよい。

日本語研究演習III 2011年4月15日(金)

 
1.シラバス・スケジュール説明
4月の授業2回は講義中心。「文章論から日本語教育へ」
5月、6月の授業は文献購読。教科書『ここからはじまる文章・談話』(高崎みどり・立川和美編、ひつじ書房、2008年)1〜4章、各章の関連文献1編を取り上げ、3〜4人1組で発表。グループ分けと分担は来週の授業で決める。
6月の2回は自分の作文の分析。6月最後の授業でポスター発表。期末レポート7月1日締め切り。

2.作文作成 約30分
6月に分析する作文を書く。題「大学院進学の目的」400字詰原稿用紙1枚。

3.タスクと講義
指定した第1文に続けて第2文以降を書くタスク。約5分。
講義「文章論から日本語教育へ」パワーポイント使用。

★提出:作文・タスク・学生情報
★宿題:教科書「はじめに」を読む。
★配布プリント:オリジナルを授業メールボックスに保存。欠席者は各自コピー。
★来週の予定:講義の続き。文献購読のグループと分担決め。メーリングリスト用アドレス確認(「サイボウズ」使用予定)。

コメント:14名出席。演習には理想的なクラスサイズ。来週13名以上来たら文献購読グループを一部4人1組にする必要がある。修士日本語教育専攻が中心、博士課程の学生2名も日本語教育の知識や経験があるようだ。

日本語文化研究II(1)2011年4月11日(月)

出席12名。
1.避難経路の確認
修士棟404教室(4階)は左右の奥に階段があって、教室から近いほうの階段は専攻事務室の向かいです。階段を下りて1階に行くとすぐ出入り口があるので、そこから駐車場に出てください。
避難するときは「おはしも」を心がけてください。(おさない、はしらない、しゃべらない、もどらない。小学校での津波避難訓練での標語より。)

2.シラバスとスケジュールの説明
詳しいシラバスとスケジュールは来週以降に配布。

●授業予定
4月の予定:「専門日本語入門」として、研究計画についてレジュメ作成、ポスター発表、研究計画の書き直し。今日配布のプリント教材(論文のモデル、レジュメのメモの書き方、研究計画書の書き方など)を使うので来週と再来週も持って来てください。

5月以降の予定:毎回1コマを作文と読解で前半後半に分けてします。作文は教科書『論文ワークブック』(浜田麻里他、くろしお出版)から重要なところを中心に説明と練習をします。読解は各自が専門文献を選んでレジュメ作成と口頭発表をします。毎回1名担当して、司会役とコメント役の2人がサポーターとして3人1組で発表。発表前に3人で文献とレジュメの検討をしておいてください。

3.自己紹介(共通点探しゲーム)
自分と相手の共通点を聞き出してメモ。10分後に板書してマップ作成。ホワイトボードに全員の名前を書いて、共通点のある相手の名前と自分の名前を線で結んで共通点も書き込む。

4.フェイスシート回収
氏名、日本語学習歴など個人情報を記入

5.宿題 4月15日(金)17時締め切り。
提出先:kido.shukudai@gmail.com、件名:日文件II:名前
研究計画書を論文の言葉で作成。A4紙1〜2ページ、word使用。

★重要:初回授業の欠席者へ
1)配布プリント:あまりは専攻事務室前の授業メールボックスのクリアファイルに保存。欠席者は持っていってください。
2)受講希望者は必ずメールで連絡ください。(mitsuko@intersc.tsukuba.ac.jp)


備考:日本語教育研究コース新入生6名、それ以外の学生6名の計12名出席。うち2名は日本語力の問題、専門の授業が同じ時間帯にあるとのことで受講するかどうかは保留。留学生センターでプレースメントテストを受けたことのない4名には来週テストを受けて日本語力診断をするようにすすめる。プレースメントテスト受付は留学生センターで4月18、19日、テストは20日実施。

コメント:震災直後で予定どおり授業ができるかどうかわからなかったので、4月の3回分はオリエンテーションの延長で専門日本語入門として、5月から本格的に授業を始めることにした。受講者が最終的に何名になるかは不明なので、柔軟に対応していく。自己紹介の共通点探しゲームは活発に交流していた。予定では少し読解をするつもりだったが、時間切れで次週にする。
 

日本語教育の大学院(修士)に入りたい人のために

●アドバイス

日本語教育を研究対象として大学院で学ぶ場合、研究テーマを決めること、研究テーマを日本語教育の研究の中で位置付けることが大切です。
日本語教育の概説書や事典を読んで、日本語の基礎的な知識を学ぶとともに、日本語教育の中にどのような分野があって、自分が本当に研究したいのはどの分野にあるのか、まずは自分で調べてみた上で、よく考えてもらいたいと思います。


自分の関心のあるテーマについて、視野を広げて、客観的に見ることをおすすめします。
大学院に行く前に、自分の関心のあることがどのように取り上げられているのか、調べてみてください。
自分の関心のあるテーマのみ、その分野のみ見ていても、全体の中での位置付けや重要性はつかめません。


●調べるときの注意点

・概説書や事典の目次を見て、日本語教育の中にどのような分野があるのかをつかむ。目次を見ると日本語教育の中での各分野の位置付けがわかる。
・自分の研究したいテーマがどの分野に含まれるのかを見る。関心のあるテーマが研究としてどのように位置付けされるかがわかる。
・あてはまる分野の説明を全部読んでみる。関心のある項目だけではなく、その項目も含めて分野全体について知る。



●研究対象としての日本語教育が大まかにわかる本

1)ここからはじまる日本語教育
姫野昌子・金子比呂子・村田年・小林 幸江・小宮千鶴子、ひつじ書房、1998年

教育現場を踏まえた実用的な観点の内容です。
日本語教師として教えるときの重要なポイントが概説されています。
専門的な用語を用いずに一般の人にもわかりやすく説明されています。


2)ベーシック日本語教育
佐々木泰子編、ひつじ書房、2007年

研究としての日本語教育がわかる内容です。
日本語教育で問題となる基礎的な事柄が大まかに専門的に説明されています。


3)日本語教育学を学ぶ人のために
青木直子・土岐哲・尾崎 明人編、世界思想社
2001年

2)と同じく、日本語教育の概説書です。



日本語教育関係の事典


1)新版日本語教育事典
日本語教育学会編、大修館書店、1982年
http://plaza.taishukan.co.jp/shop/Product/Detail/10221
日本語教育全般について説明されています。


2)日本語教育事典
日本語教育学会編、大修館書店、2005年
http://wwwsoc.nii.ac.jp/nkg/book/kankobutu/b-07.htm
1)の旧版で1)より20年以上古いですが、項目の説明で参考になるところもあります。


3)応用言語学事典
小池生夫(編集主幹)、研究社、2003年
http://webshop.kenkyusha.co.jp/book/978-4-7674-3020-1.html
応用言語学の観点から日本語教育が独立した章で説明されています。
「外国語教育学をはじめ、言語習得、社会言語学、語用論、心理言語学、言語と脳、コーパス言語学、さらには日本語教育まで、近年、多様な発達を遂げている言語教育研究とその関連諸科学を、基本用語から最新の理論まで網羅。」(上記の研究社ウェブサイトより引用)


4)計量国語学事典
計量国語学会編、朝倉書店、2009年
http://www.asakura.co.jp/books/isbn/978-4-254-51035-5/
計量的な言語分析の観点から日本語教育が独立した章で説明されています。
「計量国語学とは,統計学的な方法を用いて,言語や言語行動の量的側面を研究する学問分野」(上記の朝倉書店ウェブサイトより引用)

日本語教育の大学院に入る前に身につけておきたい話し方

日本語教育の大学院で勉強する場合、発表や討論や質疑応答、面接など、フォーマルな場面での話し言葉が要求されます。特に、以下のことが重要です。


・断片的に語や句を並べるのではなく、文の終わりまできちんと話す
・最初から最後まで「です・ます体」で話す
・敬語の表現が理解できる。話す時に敬語(尊敬語・謙譲語)が使えればもっとよいが、最低限「です・ます体」で話せれば失礼にはならない
・何かの話題について準備なしに3分以上一人で説明したり意見を述べたりすることができる


通常の日常会話とは違い、改まった場でフォーマルな話し方をする場合、特に発表や質疑応答、面接では、文をきちんと最後まで言わないと、ちょっと子供っぽい話し方に聞こえます。


練習方法の一つとして自分が話すのを録音することをおすすめします。自分の話し方を録音して聞いて、さらに録音したものを文字起こしすると、自分の話し方の問題点がわかります。


改まった場面の話し方を学べる教科書を紹介します。日本語学習の教科書でフォーマルな話し方が勉強できるものです。


1)アカデミック・スキルを身につける 聴解・発表ワークブック(CD付き)
犬飼康弘、スリーエーネットワーク、2007年
http://www.3anet.co.jp/japanese/academicskill.html

中上級向けで、聴解とともに発表の表現も学べます。


2)アカデミックプレゼンテーション入門(CD付き)
三浦香苗・岡澤孝雄・深澤のぞみ・ヒルマン小林恭子ひつじ書房、2006年
http://www.hituzi.co.jp/books/337.html

初級向けですが、フォーマルな話し方や発表の表現の基礎が学べます。


3)日本語 口頭発表と討論の技術―コミュニケーション・スピーチ・ディベート
ために

東海大学留学生教育センター口頭発表教材研究会、東海大学出版会、1994年
http://www.press.tokai.ac.jp/bookdetail.jsp?isbn_code=ISBN978-4-486-01354-9

上級向けで、大学・大学院で必要な口頭表現が学べます。


4)待遇表現(FORMAL EXPRESSIONS FOR JAPANESE INTERACTION)
ジャパンタイムズ社、アメリカ・カナダ大学連合日本研究センター 編、1991年
http://www.iucjapan.org/html/text_j.html#fefji

中上級向けで、敬語が学べる会話教材です。