BLOG文章表現

日本語教育、留学生の作文教育、日本語の文章や表現の備忘録です。

授業記録4後半(N)2009年1月27日(火)

16:05 ワーキングプア
<語彙の確認>インターネットで検索する方法も紹介「…とは」で検索
・「もやい」…「舫」船と船がつなぎ合って雨風をしのぐ。「催合」もある。
・「だましだまし」…その場しのぎで何とかする
・ツテ…手がかりとなる人
・「生きとりゃ」…「生きていれば」の縮約形
・「問うている」…昔からの日本語が残っているもの、「できぬ」など
※その他、「右肩上がり」「先細り」などを取り上げた。

16:15 接続表現
<順接>
・「だから」「それに」は口語的で論文には使えない。
「だから」→「そのため」、「それに」→「さらに」
・「それで」もやや口語的→「そこで」 
「そこで」の使い方(問題解決の行動、論文の序論)は(5)で確認。
・学習者から「「また」とはどう違うのか」質問
 →「それに」「さらに」「なお」「ただし」などは、Aに対する付け足し情報
(添加)としてBを述べるのに対し、「また」はAもBも同様に重要な情報である。「また」は内容も大きくは変わらないが多少変化する。
<逆接>
・「ところが」は意外性、予想と反することを意味することから、やや主観的
 になる。論文ではあまり使われない。(5)
<補足>
・「ただし」は前に述べたことに関して、例外、問題点などを述べるときに、論文でよく使われる。
・「なお」は注記的な情報を付け加える時に使う。(3)
・「ただし」「なお」を論文であまり使いすぎると、自身の主張に自信がないと受け取られる場合も…(教師の体験談)
・「ちなみに」を使うと、全く違う内容のことを話してもかまわない。(4)

<気づいた点>
・常にこの「書く」授業では、学習者が今後大学において論文を書く上で、必要となる表現、使うべき表現、使えない表現は何かに意識が置かれ、一貫している。
・要約文フィードバックを通して、このレベルの学習者にとっても、日本語文の主体を捉えることが、場合によっては難しいことが分かった。
・接続表現では、もう少し用例と練習問題があったほうが、具体的に理解しやすい。