BLOG文章表現

日本語教育、留学生の作文教育、日本語の文章や表現の備忘録です。

「日本語文化研究演習(中)」11/17/06

  • 学期末の発表。2コマ+30分延長。自分の書いた実験作文の条件課題について、文章分析の表を作成して文章構造類型の特定およびそのように判定した理由を説明する。
  • 質疑応答でいろいろな受講者から質問や意見が出た。受講者間のやりとりもかなりあった。最初の発表が終わって質疑応答に入ったとき、質問等ないかという問いに対してしばらく応答がなかったので、ある受講者に振ってみた。すらすらとではなくても少しずつ質問や意見が出始め、その後は自分から質問・意見を言う人が続いた。最初の発表直後の間合いで教師が自分の意見を話さず受講者の言葉を待った時のタイミングがその後の受講者の発言が続くきっかけになったように思われる。ここではいろいろなことを発言してもいいのだという場の雰囲気ができたようだ。裏を返せば普段の講義中心の授業では、発言したらよくないのだという場の雰囲気を作ってしまっていた、と反省。
  • 受講者から興味深い指摘もあった。以下メモしておく。
  • 反復表現の『感情』の系列語に「急いで(着替えた)」、『時間』の系列語に「やっと」「もう」を入れるべきかどうか。語の辞書的な意味と、文章の中での意味の問題、さらには表現の「主観性」「客観性」の問題にも関わるだろう。
  • 接続表現で、連続する互いの文の関係だけでなく、複数の文のまとまり間の関係、さらに文の中の節間の関係を分析したものがあった。節、文、いわゆる段落の間の連接関係の分析が必要だろう。
  • 「〜表現」の定義と例を誤解したまま分析したものがあった。文章論の分析をする前提として、文法論や語彙論の素養がある程度必要なのかもしれない。